この記事では、わが家の夫の公務員試験合格体験記を紹介します。
これから公務員試験の対策を始める方にとって、合格者がどのような勉強をして試験に臨んだか気になるところですよね。今では合格体験記をインターネットで検索すれば簡単に読むことができます。ただ、合格者にもいろんな方がいて、誰を参考にすればよいのか悩みますよね。
とにかくたくさんの人の合格体験記を読んで、そのうち勉強を始めたときの環境が自分と近いと思った人を参考にすると良いのではないでしょうか。
夫が公務員試験を受験をしたのは10年以上前の話で、当時は就職氷河期と言われる時代でした。夫の大学はスポーツの強豪校、それまで部活一筋の体育会系、受験勉強は未経験!部活がメインで授業は休憩という状態でした。
古い話ではありますが、当時と今で試験制度はそこまで変わりありません。同じように体育会系で受験の経験がなく、何から対策すればよいのかわからない方に参考にしていただければ幸いです。
夫が公務員になるまで
夫は大学卒業後、すぐに公務員として働きだしました。
大学まではスポーツ一色の人生だったこともあり、公務員試験が初めての受験で、大学3年~4年の春頃が人生で最も机に向かっていた時期とのことです。
受験した公務員試験の合否について
公務員試験とは、国家公務員試験や地方公務員試験があります。だいたいの受験者は併願します。日程が被らない試験はできるだけ受けていました。
- 国家公務員Ⅰ種【合格】(今は総合職といいます。当時の試験は5月)
- 国家公務員Ⅱ種【合格】(今は一般職といいます。当時の試験は6月)
- 某都道府県庁【合格】(当時の試験は6月下旬)
- 地元の市役所【合格】(当時の試験は9月)
- 独立行政法人【合格】(一部は不合格となった機関もあります)
試験勉強について(時期・費用・環境)
勉強を開始した時期は?
大学3年生の春頃から公務員試験対策の勉強を始めました。通っていた大学では3年生になったタイミングで進路の説明会がありました。親が公務員ということもあって自然と公務員試験を受験しようとなったのです。
勉強方法は独学?予備校?
予備校です。しかし、最初は独学を考えていました。大学で公務員試験対策の講座があったので、受けてみたところ、内容がさっぱりわからない状態。これはまずい、基礎から勉強しなければということで予備校の門をたたきました。
予備校はどこをどうやって選んだ?
LEC東京リーガルマインドです。大学の生協で配布されていたパンフレットがきっかけで、ガイダンスを聞きに行って決めました。
なお、講義の内容には満足しています。生講義に出席できなくても録画で講義を視聴できました。今ではオンライン講義が当たり前ですが、当時は画期的でした。
予備校での授業の頻度は?
大学3年の夏から通いだしたのでスケジュールには余裕があり、講義は週2~3コマでした。通いだす時期は自由ですが、遅くなるほど講義のスケジュールは過密になっていきます。私の場合は復習にかける時間が必要だったので週2~3コマはちょうどよかったです。
予備校にかけたお金は?
40万円くらいのコースを受講しました。大学3年の夏から4年の試験直前まで、受験に必要な科目はすべて盛り込まれたコースでした。さらにそれとは別に直前期の特別集中講座(3万円くらい)も受講しました。とにかく1年で受かりたかったのと、どれだけやったら受かるのかわからないという不安があったからです。
予備校のお金を工面した方法は?
財源はバイトで貯めたお金と、足りない分は親に立替えてもらいました。その後、大学から返さなくてよい奨学金をいただいたので親に返済できました。
勉強期間中のアルバイトは?
私の場合は勉強に専念するために全てやめました。しかし、内定者の中には直前期まで普通にバイトしていた人もいます。
実際に受かってから思ったのは、バイトは週1~2日ならできたなということです。
普段の勉強場所は?
講義のほかは予備校の自習室、大学の図書館です。ちなみにとある資格マニアの方の話として、勉強場所は駅のホームで問題集を解くのがよい(本番よりもうるさい環境で鍛える)と聞いたことがあったので試してみましたが、風でページがぱらぱらめくられてそれどころじゃなかったです。
試験勉強について(勉強量など)
毎日の勉強時間は?
時期によって異なりますので分けて説明します。なお、実際は1日●時間と決めて勉強していたわけではないです。あと、始めにいっておきますが、自分はやりすぎだと思います(笑)こんなに勉強しなくても受かります。試験で満点とった人もボーダーラインぎりぎりで受かった人も基本的には同じです。なら、少ない労力で受かった方がよい(と、今では強く思います)。
試験前年の7月~12月(大学3年)の勉強量と内容は?
この時期は週2~3コマの講義の内容に対応した復習が中心でした。講義がある日は必ずその日のうちに復習としてテキストの該当ページの通読。対応する問題を数問解いていました。時間としてはすぐに理解できれば1時間程度。理解できないときは3時間でもかけていました。
講義のない日は、問題集を使って既に受けた講義の内容に対応する過去問を解きました。人はすぐ忘れてしまいますから、記憶を定着させるために同じ問題でも何度も解いてました。この頃使用した問題集は予備校の講義で使う過去問でした。
また、科目によっても濃淡をつけていました。私は当初、計算の多い経済系科目が苦手でしたが、受験した試験はどれも経済系科目の比重が重く、避けられないものでした。逆に法律科目は比較的得意だったので、圧倒的に経済系の勉強に重きをおいていました。これは受験者のバックグラウンドによるかと思います。
試験当年の1月~試験シーズンまでの勉強量と内容は?
試験が近づくにつれて基礎をインプットする予備校の講義は減ってきます。本格的に実戦に近い勉強として問題をたくさん解きました。基本的にはレックの過去問を使用していましたが、1科目につき5回、多い科目は10回はまわしていたことから答えを覚えてしまい、このままで大丈夫かと不安になりました。そこで、公務員試験対策としての定番といわれていた「スーパー過去問ゼミ」をそろえ、同じく何度も解きました。
勉強方法としては、「今週は専門科目は憲法、教養科目は人文科学の問題集をやる」といった具合に目標を決めて、問題集が200問なら逆算して1日30問くらいを解いていました。30問ただ解くのではなく、間違った問題や自信のない問題は何度も繰り返すといった感じです。ですので30問を1時間で終える日もあれば3時間かける日もありました。
これを繰り返すことで次に問題集に取り組むときは、もっと時間をかけずに解くことができます。
直前期の勉強量・勉強方法は?
上記の過去問対策を続けていると、この時期には1問にかける時間は短くなり1日に解ける問題数も増えてきます。だからといって、過去問をすべて最初から最後までやるということはやめました。
そもそも、公務員試験は専門科目も含めると科目数が多いです。専門科目だけでも試験によっては15~16科目あり、教養科目として数的処理、文章理解、自然科学、人文科学、社会科学といったように分野が多岐にわたります。
それを1日1科目に集中し問題集をこなすのは、直前期の勉強方法の最適解ではないと思っています。この勉強方法を続けながら本番の試験に臨んだ場合、科目によっては昨日解いたからよく覚えている、でも20日前に勉強した科目についてはよく覚えていない。記憶にムラがあることで正答数も増えません。
そうならないよう、直前期はできるだけ多くの科目の問題にあたれるよう、例えば3の倍数にあたる問題番号だけをピックアップして解く方式で間引いて問題集をまわしましていました。本番の試験での記憶の定着をピークに持っていくために、できるだけ短期間に同じ科目をまわしたという趣旨ですね。
本番での成績について
結局、本番ではどれくらいの点数とれたの?
専門科目(法律や経済など)は自己採点が可能な試験についての正答率は8割~9割。教養科目(数的処理とか)は最後まで苦手だったので6割~7割程度の正答率でした。
勉強した中で削れるとしたら何?
問題集をまわす回数ですね。同じ問題を3回やれば内容はほぼ理解できます。あとは直前期にピックアップ方式でより多くの科目を復習すれば十分だったなと。
面接対策について
公務員試験の筆記試験を通過すると、2次試験として個別面接や集団面接、集団討論などがあります。(何をやるかは受験先によって異なります)
予備校の面接対策は?
予備校のコースに含まれている模擬面接(2回)を受けました。模擬面接では結構ひどい講評をいただいた記憶があります。「志望動機が弱い」って。
実際、併願していると志望動機をそれぞれ考えるのが本当にしんどいです。国と県庁って立場が違いますからね。面接ではよく突っ込まれるポイントです。
そこで、次のように準備をしました。
志望動機の作り方
併願先によって志望動機はそれぞれ準備する必要があります。でも一から考えるのって結構大変ですよね。
私の場合は志望動機の柱となる型をまず決めました。
というのも、住民は皆さんそれぞれが、市民であり県民でもあり国民でもあります。国・県・市のそれぞれで、行政サービスを提供する立場は違えど、役人というのは誰もが「人の役に立つ人間」。
それを踏まえて、住民生活を守る(向上)ことが役人すべての目的なんだということを前提とし、以下のような型を設定しました。
目的を実現するアプローチが異なるだけという視点から、「●●(目的)を実現するため、●●(国・県・市で行うべきこと)をしたい。だから○○市を志望した」といった趣旨の志望動機を定型的に準備しました。
●●の部分を志望先の立場や政策に絡めて考えました。今の時代であれば志望先のホームページで「○○プラン」「○○計画」といった大きな構想が公表されていると思います。そういった資料の前文に首長のあいさつや計画の概要などが掲載されています。それらを参考とするとよいと思います。
面接試験(本番)の感触は?
質問に対する回答を掘り下げられると、うっ!きつい。落ちただろうなって思うこともありました。
今になって考えると、いわゆる圧迫というものではないですね。面接官も無理に追及しているのではなく、面接で聞いた内容を自分の中で整理するために掘り下げているものですから。
面接官も評価を付けた理由を内部において報告する必要があります。そこで問われたときにちゃんと説明しなければなりませんからね。仕事をする中では当然のことです。
実際に受けた面接で「これは受かった!」と思えたものは一つもありませんでしたが、何とかなりました。
注意したことは、うまい言い回しをしようとせず、相手に自分の意図を伝えるということを第一に考えました。そのため、面接官の反応をみながら、今の回答で伝わってないな…と思ったらすぐに違う表現で同じ話を補足するなど臨機応変に対応することをこころがけました。
さいごに
以上、夫の体験談でした。ここまでお読みいただきありがとうございました。受験勉強で一番伝えたいことは「とにかく過去問を繰り返し解くこと」それに尽きます。最近は公務員を志望する学生が減っていますので、これから目指す方、チャンスです!
公務員試験は、これまで勉強なんてほとんどしたことない人でも本気で対策すれば受かる試験です。体育会系に限らず、それまで自分の好きなことに向けていたエネルギーを勉強に振り分けることができればいいわけです。
受験生の方が公務員として活躍することを願っております。ここまでお読みいただき、ありがとうございました♪