この記事では、入庁日が近づいた公務員内定者の緊張と憂鬱、その原因と乗り越えるための対策をご紹介します。
就職する役所に内定をもらって超絶喜んでいたのもつかの間、入庁が近づくとだんだん緊張してきますよね。内定を獲得した時は、これからの人生への期待とやる気に満ち溢れていた人が直前になってブルーになる。これ、よくある話なんです。内定後の内定者懇親会でノリノリだった人が入庁日には別人か!?ってほど緊張でガチガチになっている人もいます。
その入庁前の緊張感を解決するために必要なことは、何事も準備することです。とても基本的なことですが、あらかじめ準備をしているだけで緊張感は和らぐものです。
それでは、緊張や憂鬱の原因は何か、具体的に何を準備すればよいのか、説明してまいります♪
そもそも緊張する原因はなに?就職や異動はどうしてこんなに緊張するの?
初めての就職はもちろん、転職や人事異動のように環境が変わると緊張しますよね。わが家は夫婦とも何度も転職や異動を経験していますが、まぁ初日は緊張します。
最も緊張するのは、初めて就職するときでした。やることすべてが初めて、何も知らない、不安しかない。当然ですよね。人間関係もそう、学生時代と違って周りの人は初めて会う人ばかり。初対面でどう話そう…。担当する仕事は何だろう?どんな部署に配属されるんだろう…その前にどんな部署があるの?とか。辞令が出て職場に行ってみたけど、どこの国の言葉かわからない初めて聞く意味不明な言葉ばかり飛び交っている…とか。電話って初日から出るべき?どうやって出るの?とか。
就職したくて努力してやっとの思いで内定を受けたのに、なんだか働くのが怖くて嫌になってしまったり。。よくあることです。原因は知らないことによる「不安」が多いからです。知らないから、経験したことがないから不安になるんですよね。当然ですが。
だからこそ、あらかじめ知っておく、準備しておくことで、こういった不安を和らげることができます。簡単に聞こえますが、やっている人はあまり多くありません。
内定式などで、現役の職員の方から「何も心配しないでいいですよ、周りがサポートしますから。初日にはリラックスした状態で来てください」といった趣旨の言葉をもらうことがあります。気を遣って言ってくださるのだと思いますが、そのとおり何も心配なく過ごし、何の準備もしないことで逆に不安で緊張する初日を迎えてしまうのです。再度言いますが、重要なのはあらかじめ準備をするということです。具体的にはつぎのテーマで説明いたします。
入庁前までにやっておいた方がよいこと
役所の組織構成を知っておく
自分が勤める役所にはどんな部署があるのか確認しておきましょう。すべて暗記しておく必要はありません。確認しておきたいのは、組織としてどんな局・部・課があって、どんな仕事をしているのだろうということ。
それを知っているだけでも、入庁初日に配属の辞令を受けた時に「あの事業をやっている部署ね」ってイメージできます。逆に組織のことを何も知らないと、辞令を受けて「何それどこ?何やっている部署?」と不安になってしまいます。
確認の方法としては、役所のホームページをみれば確認できます。大まかな業務内容を把握できるでしょう。
役所の政策を読み、首長の方針や代表的な事業を抑えておく
配属された部署で飛び交っている言葉が何のことかわからないと、「え、何のこと話しているの?日本語?何語?」とまるで知らない国に来てしまったような不安な気持ちになります。
しかし逆に、上司たちが話している内容やキーワードが何の施策に関することか理解することができれば「私その話知っています。○○のことですよね!」など、ちょっと知ってるアピールをしたくなるほど自分に自信が持てるようになります。
そのためには、役所が発行している「○○県○○計画、○○市○○プラン」といった計画や報告ものの冊子を入手するとよいです。首長の方針は理解しておきましょう。さらっと読んでおくだけでもイメージが膨らみます。
注意したいことは、読んでみて「難しい!わからない、覚えられない!」と不安に思わないでください。安心してください。現役で働いている職員でさえ(業務上関連のない)ほかの部署の詳細な事業内容はほとんど説明できません(笑)
あくまでも、大まかな理解で大丈夫です。施策に最も詳しくなるには実務担当者となることです。具体的な話の中身は入庁後、実務に携わることで詳しくなりますから。
入庁後にやるべきことをあらかじめイメージしておく
入庁して最初の1週間は研修や引継ぎなどでバタバタします。よくわからないうちに時間が過ぎ、気づいたら1週間過ぎていたという感覚になりがちです。しかし、最初の1週間は先輩や同僚職員に仕事のことを聞くには最高のタイミングです。知らないことが当然ですから何も恥じることなく質問できるでしょう。マニュアルや引継ぎ書を読んでいるだけではもったいないです。
そこで、最初の1週間で確認することを事前にイメージしておきましょう。入庁後の時間を無駄なく使うことができます。「今日は○○と○○を確認しよう。明日は先輩に●●のことを聞こう。今週中に××のことを覚えよう」と、あらかじめするべきことをイメージしておくことが重要です。
これは、自分が仕事をコントロールすることのきっかけとなります。振ってくる仕事に身を任せている状態というのは、仕事に振り回されている状態です。そうではなく、自分が仕事をコントロールするためは、自分の考えのもとでタスク(やるべきこと)を管理することが必要です。そのタスク管理・進捗管理を習慣とするためにも最初の1週間の自分のやるべきことをイメージしておきましょう。
こちらの記事「【新人公務員】入庁して最初の1週間のうちにやっておくといいこと」にやるべきことをまとめています。参考にしていただければ幸いです。
職場の場所(アクセスと庁舎の配置)を覚えておく
単純ですが、とても重要なことです。職場へのアクセスと庁舎の配置は必ず確認しておきましょう。
受験生の多い役所だと、試験会場も大学などを借りて試験を行いますし、面接も本庁舎ではないこともあります。入庁前に職場に行く機会というと、健康診断くらいで思いの外少ないんですよね。
職場へのアクセスをあまり知らない状態で入庁を迎えてしまうと、直前になって「何時に家を出れば間に合うかな…電車はどの路線で行けばいいかな」と慌てて調べたり、「事故で電車が止まったらどうしよ」など不安になってしまいます。
大きな職場だと敷地も広く、庁舎の建物もいくつもあります。目的の場所を当日になって確認しながら探すようだと「この建物かな…?あ違うこっちか…。入口は?通用口?ここから入っていいの?」など迷います。入庁初日にはそういう新人をよく目にします。
そこで、入庁するまでのこの時間を使って実際の出勤時間でプレ通勤をしてみましょう。そこで初めて気が付くことも多いです。通勤時間帯の駅は昼間のすいている時間帯とまったく違います。駅は混雑してなかなか歩けない、乗り換えにも時間がかかります。事前に検索した乗換案内どおりの時間にいけないことも多いです。だからこそ、電車通勤の方は余裕をもって到着するのに必要な時間をあらかじめ身をもって確認しておきましょうということです。
また、入庁してしばらくは職場に行くのも緊張します。かなりの頻度で電車でおなかが痛くなります。急いで電車を降りてやっとたどりついたトイレが行列…!この時の絶望感といったら言葉になりません。
普段利用する駅のトイレの場所をおさえておくことは当然ですが、駅の近くの公衆トイレ、コンビニといった緊急避難できる場所を知っておきましょう。おすすめの方法は普段おりないマイナーな駅のトイレをあえて使うという技です。乗換に使うターミナル駅は人も多くトイレも混雑しています。それに対してマイナーな駅は、乗ってくる人は多くてもその駅で降りる人は少ないです。つまりトイレが圧倒的に空いているのです。乗換をする駅まで我慢するのではなく、手前の穴場の駅のトイレを利用しましょう。
他の内定者と交流しておく
内定者が多い役所だと事前に職場見学や内定者交流会などが開催されることがあります。内定者が発信となって懇親会などを企画するといったケースもよく聞きます。これから同期として同じ組織で働く人たちと事前に知り合えるのですから、できるだけ機会があれば参加することをおすすめします。
同期の存在は重要です。仕事以前の話がしやすいです。例えば「昼食はどこで食べている?職場の人と一緒に行ってる?」「わからないことあった時にどうやって周りの人に聞いている?」「電話は何コールまでに出てる?出るときに職場名だけ?名のってる?」などですね。
本来は仕事以前の話についても何でも話せる風通しのよい職場が理想ですが、すべての職場がそうではないのが現実です。職場の人に聞いていいものか悩むならすぐに聞ける同期に相談した方が早いです。また、他部署の様子や仕事の内容をたくさん聞いておくと、異動希望を出すときにも参考となります。
入庁前に同期と話しておくと、他の人も自分と同じようにいろいろ不安があるんだな~ってわかります。それを知るだけでも少しは不安も和らぎます。ぜひ機会があれば交流しておきましょう。
さいごに
入庁が近づくにつれて高まる緊張感。その原因は何事も知らないことからくる「不安」であること。それを乗り越えるために、就職する役所のことをよく知り、入庁後の仕事をイメージすることが重要です。それが働くことへの準備だということです。知らないことからくる「不安」は知ることで解消できます。そして緊張から解放され、晴々とした気持ちで入庁日を迎えましょう!
これから公務員として働くみなさんが、ご活躍されることを願っております。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!