通勤ストレスを削減!「時差出勤」のススメ

毎日の通勤お疲れさまです。都会で働く方は満員電車での通勤に大きなストレスを感じているのではないでしょうか。

車内では「ピリピリしている人多いな、ぶつからないように気をつけよう」と気を遣ったり、乗換駅では「急ぎたいのに人が多すぎて進めないな、遅刻しちゃうかも」とか、「お腹痛い…うわっトイレ混んでるし」と焦るなど。

毎日続くとさすがに疲れますよね。誰もがこのストレスから解放されたいと思うことでしょう。

今回の記事では、その解決手段の一つとして「時差出勤」を活用することをご紹介します。

満員電車での通勤を避ける方法は?

時差出勤を説明する前に、通勤のストレスから解放されるための手段にはどのようなものがあるか考えてみました。(転職を想定しないケースです)

  1. 役所の近くに引越して徒歩・自転車で通勤する
  2. 始発駅圏内に引越して座って通勤する
  3. 島やへき地など、引越し前提で車通勤が可能な出先機関へ異動希望を出す
  4. 指定職クラスまで出世して公用車で通勤する

まず、①・②・③は転居が伴うのでコストがかかりますよね。④は可能性はあるとしても公務員の場合は時間がかかります。

どれもすぐに実現するには簡単ではなさそうですよね。

そこで、おすすめしたいのが時差出勤なわけです。

勤務時間を少しずらすだけで電車の混み具合は大きく変わります。

昨今、働き方改革や時差bizの推進によって注目されている時差出勤。以下、そのメリットなどについて説明します。

時差出勤とは?フレックスとの違い

時差出勤とは

時差出勤とは、1日の勤務時間はそのままで業務開始時間を定められた範囲で柔軟に設定するという働き方です。

通常は、8:30~17:15といった勤務形態がメインの役所が多いのではないでしょうか。

これを以下のような区分のなかで、正規の勤務時間を割振る働き方が「時差出勤」です。

  1. 7:00~15:45
  2. 7:30~16:15
  3. 8:00~16:45
  4. 8:30~17:15
  5. 9:00~17:45
  6. 9:30~18:15
  7. 10:00~18:45
  8. 10:30~19:15
  9. 11:00~19:45

ちなみに、役所の開庁時間にあわせて、特定の区分は全体の●割以上とされているケースがあると思われます。

役所は8:30に開庁されるのに職員全員が上記の例でいう⑦を選択してしまうと役所の開庁時間に対応する職員がいなくなってしまいますからね。

おそらく④や⑤を選択する割合は一定以上確保するような取り決めがあることでしょう。

参考:フレックスタイム制とは

これに対してフレックスタイム制度は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることができる制度です。

フレックスタイム制とは、1か月以内の一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で各日の始業及び終業の時刻を自主的に決定し働く制度で、労働者がその生活と業務の調和を図りながら、効率的に働くことができ、労働時間を短縮しようとするものです。

※出典元:厚生労働省_フレックスタイム制とは

ある日は9:00~15:00の勤務、別の日は10:00~19:00といった勤務も可能となるわけです。コアタイムを設けるか設けないかは組織の裁量によります。

時差出勤との違いは、1日の正規の勤務時間が決まっているかどうかですね。

フレックスタイム制は導入している役所もありますが、正直あまり浸透していない印象です。(私が実際にフレックスで働いている公務員と会ったことがないからかもしれませんが…)

時差出勤のメリット

通勤ラッシュを避けた通勤が可能となる

通勤ラッシュを避けることで通勤のストレスが減るということが、今回の記事でお伝えしたい一番のメリットです。

国土交通省が5年毎に行う大都市交通センサス調査によると、首都圏の出勤時のピークタイム(最終降車時)は8:00~8:44であることがわかります。

会社の最寄駅の降車時間をピークタイムからずらすだけでだいぶましになりそうです。

以下のグラフで見る限りでは、思い切って7時出勤や10時出勤といった区分にすれば座って快適に通勤できそうですね。

帰宅時のピークタイムは17:30~18:29です。帰宅時も時差出勤かつ定時退庁をすることによってストレスなく帰宅できそうです。

首都圏<通勤・通学目的の初乗り・最終降車時間帯分布>

交通センサス(出勤時)

首都圏<帰宅目的の初乗り・最終降車時間帯分布>

交通センサス(退勤)

※出典元:国土交通省_第12回大都市交通センサス調査<調査結果の詳細分析>

仕事の生産性の向上

このメリットは時差出勤のなかでも早朝に出勤する場合に該当すると考えます。

たとえば、役所の開庁時間が9時からの職場において、時差出勤を活用し7時に出勤するとします。

この場合、朝の2時間は住民対応も電話対応もありません。早朝の時間帯は自分のペースで仕事ができますから、集中できて作業が捗ります。

黙々と事務仕事をしているなかで電話対応などが挟まると本来1時間で済む仕事に何時間もかかったりするものですよね。

作業的な仕事を早々に片付けることで、多くの人が出勤してくる時間帯には、他の人との調整が必要な仕事や上司への説明が仕事などにエネルギーを振り分けることができます。

自分にとっても組織にとっても良いことですね。

一方、閉庁後の時間帯はというと、残業している方も多いです。忙しい職場では夜も電話や打合せをしている人など日中と変わらない光景があります。

そう考えると仕事に集中できるというメリットは早朝型の時差出勤の方が有利と考えられます。

家庭の事情に柔軟に対応できる

小さなお子さんがいて毎日の保育園の送迎で苦労している方もいることでしょう。

奥さんが時短勤務をして送迎している家庭も多いと推測しますが、夫婦で時差出勤を活用し、夫婦で送迎を分担することで時短勤務をしなくてもお互いフルタイムで働くことが可能となるケースもあります。

このようなケースは、組織にとっても労働力が確保されることとなりますから歓迎されるのではないでしょうか。

さいごに~役所の規程を確認しましょう~

時差出勤をしようと思っても、そもそもお勤めの組織が時差出勤に対応していることが必要ですよね。

以下、東京都庁を例に確認してみましょう。

都庁の場合は、「職員の勤務時間、休日、休暇等の条例」の第三条で正規の勤務時間の割振りが規定されています。

(正規の勤務時間の割振り)
第三条 任命権者は、暦日を単位として、月曜日から金曜日までの五日間(以下「平日」という。)において、一日につき七時間四十五分の正規の勤務時間を割り振るものとする。ただし、育児短時間勤務職員等については一週間ごとの期間について当該育児短時間勤務等の内容に従い一日につき七時間四十五分を超えない範囲内で正規の勤務時間を割り振るものとし、・・・(略)・・・

さらに、「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する規程」にて具体的な割振りが定められています。

(正規の勤務時間の割振り及び休憩時間)
第二条 職員の正規の勤務時間の割振り及び休憩時間は、別表第一に定めるところによる。
2 条例第三条第二項に規定するフレックスタイム制勤務職員の正規の勤務時間の割振り及び休憩時間は、別表第二に定めるところによる。
3 命令権者は、前二項の規定による正規の勤務時間の割振りの区分に応じ、そのいずれかをそれぞれの職員について指定する。
4 前各項に規定するもののほか、正規の勤務時間の割振り及び休憩時間に関し必要な事項は、総務局長が別に定める。

別表第一の抜粋↓

一 本庁職場に勤務する職員
正規の勤務時間の割振り
休憩時間
午前七時から午後三時四十五分まで
正午から午後一時まで。ただし、命令権者が認める場合にあっては、当該命令権者は、午前十一時三十分から午後零時三十分まで又は午後零時三十分から午後一時三十分までのいずれかの時間を休憩時間として各職員について指定し、また、総務局長が別に定める職員については、命令権者は、午前休憩型(午前十一時から正午まで又は正午から午後一時までのいずれかの時間を休憩時間とする型をいう。以下同じ。)又は午後休憩型(正午から午後一時まで又は午後一時から午後二時までのいずれかの時間を休憩時間とする型をいう。以下同じ。)のいずれかの型を採用し、各職員について休憩時間を指定する。
午前七時三十分から午後四時十五分まで
午前八時から午後四時四十五分まで
午前八時三十分から午後五時十五分まで
午前九時から午後五時四十五分まで
午前九時三十分から午後六時十五分まで
午前十時から午後六時四十五分まで
午前十時三十分から午後七時十五分まで
午後一時から午後二時まで
午前十一時から午後七時四十五分まで

 

このように、都庁の本庁においては始業が7時から30分区分で11時までの9区分があることが確認できます。

以上のように、まずは役所の規程を確認してどのような勤務区分があるか確認した上で、服務的な手続きは庶務担当の方と調整しましょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました。