若手公務員が押さえておきたいメモの重要性【メモ魔になりましょう】

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若手公務員の皆さんは仕事でメモを活用していますか??

「メモはたくさんとった方がよいってよくいわれるけど、何のため?」、「忘れなければいいんでしょ?」と思う人もいるかもしれません。

実際、一切メモをとらず自分の記憶を頼りに仕事をしている人と会ったことがあります。そういう人に限って同じ質問を何度もする印象があります。

そこで、今回の記事ではメモをとるメリットを中心に紹介していきます。

そもそもメモが必要な時ってどんな時?

まず、そもそもメモが必要となるのはどんな場面でしょうか。一般的には以下のような場面を想定することが多いでしょう。

部下が上司から指示を受けるとき。これは必須ですね。ミスやトラブルを防ぐためにもお互いの認識にズレがあってはいけません。

会議や打合せ。若手がメモの作成を頼まれることが多いです。後述する5W1Hを意識しながら記録しましょう。

作業を中断するとき。何をどこまでしたか、次にすべきことは何か?忘れてしまうと作業の漏れ、重複や手戻りといった非効率な事態を招くことがあります。

上司が部下に指示をするとき。マネジメント用ですね。誰にどんな指示を出したか?それに対して部下はどんな仕事をしたかをメモを取ることによって記録します。すると誰々にはどんな指示の出し方が有効かわかってくるわけです。育成方針を立てる上でも参考にしますし、評価をする上でも日々のメモが役に立つためです。

これらの場面は、後で記憶の再現をすることが多いことですよね。メモをとっておけば、記憶を再現するための時間を短縮できます。つまり時短にもつながるわけです。

ですが、日々の生活のなかでもメモをとるべき場面は他にもいくらでもあります。

アイデアが閃いたとき、知らない言葉を聞いたとき、気になった情報が目に入ったとき、なぜかわくわくした話、失敗したとき、ひやっとしたとき…

人間の脳は起きている間は常に何かの情報処理をしていますよね。しかしそのすべてを記憶することは不可能です。すごく良いアイデアや忘れてはいけない注意事項などもふと忘れてしまうことが多いです。

メモをたくさんとることで、忘れていく貴重な情報を自分のものにすることができます。目にする情報をアイデアに変えたり、自分を見つめ直すヒントにしましょう。

メモは自分の「外付けハードディスク」となる

メリットの一つとして、メモをとることによって、がんばって記憶しておかなくてよいということがあります。

記憶することにエネルギーを使うのはもったいないことです。

次々とタスクが増えていくときにメモをとらず、記憶に頼ろうとすると文字どおり頭がいっぱいいっぱいになってしまいます。

漏れやミスにつながる可能性がありますよね。

頭をすっきりさせ、忘れても大丈夫な状態とするため、メモをとりましょう。

つまり、メモを外付けハードディスクのように、仕事に必要な事実・アイデアなどを記録しておくということです。

整理して記録されていると、内容を忘れていてもメモを見ただけで記憶が鮮明に甦ります。

必要な情報をメモに任せて、自分の脳の容量をすっきりさせ、創造力やオリジナリティを求められる仕事に思考を振り向けることができるというわけです。

メモをとることで議論を構造化する

聞いている話の内容がわかりにくくても、メモをとることで情報が整理され、気がつくこともあります。

打合せなどで話の全体像が見えず、「今、どこの何の話をしているのだろう…」って経験ありませんか?

”メモを取ることで、その場で展開されている議論を綺麗に構造化できるようになります。”

”構造化能力とは、議論の全体像が常に俯瞰で見られて、今どの話題を、どんな目的で(何に向かって)、どこまで話しているのか、ということを(なるべく瞬時に)把握する力です。”

”その場で情報を構造化し、その情報が入るべき「フォルダ」を明確にしてあげることで話し手の頭がクリアになり、話はさらに深まります。”

出典元:前田裕二『メモの魔力』(幻冬舎,2018,P32-34)

メモをとることで、議論の全体像を把握し、それぞれの発言を構造的に整理するわけです。

自分が話下手という自覚がある人にとっては、仕事の打合せでも、雑談であっても話の相手が「それって●●ということですよね」とか「今話していたのは●●に関係することですよね」「まとめると●●ということでよいですか」といったように、話を構造的に整理してくれると、なんとなくこの人聞き上手だな、とか頭いいな~とか思うことありませんか?(私の体験談ですが)

メモをとっていると、話を構造化することができ、建設的な議論を導けるようになるというわけですね。

さいごに。打合せメモの例

ここまでメモのメリットについて紹介してまいりました。

ですが、新人の方などで「人に見せるためのメモを作ったことがないよ…」という方のために一つの例を紹介します。

若手の方は「打合せメモを頼むよ」とお願いされる場面が多いでしょう。ある事案の初期段階、決定権者に話をあげる前のたたき台を考えていくような場面ですよね。

正式に何かを決めるわけではないので「議事録じゃなくていいからポイントだけまとめておいて」といった指示が想定されます。

打合せのメモにおいては、5W1Hを意識しましょうということです。

いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのようにを意識するということですね。

なお、議論にあがったもののボツとなった話なども()などで記録しておくとよいです。忘れてしまうとまた同じ議論を繰り返す可能性があるためです。

  1. いつ?→9月●日(10月●日)
  2. どこ?→●●公民館(●●ホール)
  3. 誰が?→●●課の●課長から
  4. 何を? →●●工事の住民説明会を開催(パブリックコメントのみとする)
  5. なぜ?→●●工事の円滑な進行に向けた地元の理解を得るため
  6. どうやって?→環境への影響を専門家の意見を添えて説明

 

なお、今回の記事は、自分の体験談に加えて『メモの魔力』という本を参考にしました。

メモには「記録のためのメモ」と「知的生産のためのメモ」の2種類があり、本では「知的生産のためのメモ」として、”メモは、情報伝達ではなく、知的生産に使ってこそ初めて本領が発揮される”ことを強調されています。

今回の記事でも一部引用させていただいていますが、生きていく上で役に立つ情報が詰まっています。是非参考とするとよいでしょう。